島本総合司法書士法人ブログ

続・恐るべし商業登記ハンドブック

先日、清算人選任登記について、商業登記ハンドブックの情報量に驚いたとブログで書きましたが、実はもう1つ驚いたことがあったのです。
この間、書いた株式会社Aの清算人選任登記をすることになったのは、以下のような経緯からだったのです。
甲地(X法務局管轄)という土地があり、名義は株式会社A(Y法務局管轄)となっていました。株式会社Aの登記簿を見ると、株式会社Aは破産宣告を受け、その後、破産終結しています(登記簿も閉鎖)。一方、甲地の登記簿を見ると、破産宣告後、甲区に権利放棄と入っています。
これは、当時の破産管財人が甲地の価値が著しく低いので裁判所の許可を得て破産財団から外したということのようです。そしてこの度、甲地の購入希望者Bが出たため、甲地を売却するために株式会社Aの清算人を選任する必要があったのです。
甲地の所有権移転登記をするためには、株式会社Aの資格証明書が必要となるのですが、甲地を管轄するX法務局の見解では、この場合の株式会社Aの資格証明書は清算人選任決定書では足りず、株式会社Aの登記事項証明書が必要とのことでした。登記事項証明書が必要ということは、現在、閉鎖されている株式会社Aの登記簿を復活させなければなりません。しかし、事務所にある本を読んでみても登記簿を復活させる登記の記載はありませんし、そもそも登記簿を復活させる登記なんて思いつきません。結局、登記の申請としては株式会社Aの清算人選任登記をするしかないだろうと考えていました。一応念のため、商業登記ハンドブック(松井信憲著)を見てみると……出ていました!「破産手続の終結の登記により登記記録が閉鎖された会社について、残余財産が存在するとして清算人の就任の登記が申請された場合はこれを受理し、当該登記記録を復活して、その登記をすることになる」とのことです。しかもこれは先例のようです。改めて商業登記ハンドブックの凄さとともに先例を知らなかった自分の不勉強さを痛感しました(H)。

2009年07月17日