島本総合司法書士法人ブログ

役員退職金を現物で支給する場合

 先日、ある会社から役員退職金を不動産で支給したいという相談を受けました。取締役に対する報酬等(役員退職金も含む)を金銭以外で支給する場合、定款に定めがないときは株主総会で現物の具体的な内容及びその額(額が定まってない場合は具体的な算定方法)を決議する必要があります。
 会社法の条文を調べた上で、株主総会議事録等を検討中、ふと不動産登記の事を考えたときに登記原因は何になるのかと思いました。会社に手持ちの現金がない代わりに会社の不動産を退職金として支給するのであれば「代物弁済」となる気がしますが、「代物弁済」はあくまで契約なので退職金支給のプロセスを考えると少し異なる気もします。
更に、六法をみて気づいたのですが、会社法の条文上、役員の報酬等について現金支給を原則とする構成になっていません(会社法第361条)。ということは、会社には現金があるけども積極的に退職金を不動産で支給することが出来ることになります(当然、株主総会決議を経る必要はありますが)。その場合、所有権移転の登記原因が「代物弁済」というのは馴染まないような気もします。では、原因は何になるのか???判断に迷ったので法務局に相談しました。
皆様はこの場合の登記原因は何だと思いますか?
 法務局の回答は「代物弁済」ということでした。
 過去の事例において「代物弁済」を原因として登記をしたことがあり、それに倣うようです。ただ、事例としては少ないようでした。
 この先、様々なニーズがありますので、こういう事案も増えるかもしれません。日々、勉強しないといけないということですね・・・
 なお、役員退職金を現物で支給する場合は、上記のとおり現物の額(額がない場合は具体的算定方法)を定める必要があります。この額は時価となりますので、税理士や公認会計士など専門家と事前の打ち合わせが必要となると思います。(H)

2008年08月20日