島本総合司法書士法人ブログ

司法書士の改称

明治5年に制定された司法職務定制において,「証書人・代書人・代言人職制」 の中に3つの基本的な職能が定められ,証書人は現在の公証人、代書人は現在の司法書士、代言人は現在の弁護士である。大正8年に司法代書人法の制定により,司法代書人と一般代書人に分離され,次いで,昭和10年には司法書士法が制定され、「司法代書人」が「司法書士」となった。
ちなみに韓国の司法書士は今では法務士に改称されている。
司法書士の職務は,この半世紀の間で大きく変わってきており,70年前に制定された司法書士の名は今では誤解されやすい。
まず,行政書士と混同される。行政書士界は,特にTVドラマや連載漫画による知名度アップを契機として職域拡大にエネルギーを注ぐ。一部の行政書士には無理ある理由付けによる職務範囲への取り込みや拡大要求もみられ,例えば,契約当事者の実体上の代理職務が適正な業務の範囲であることを主張したり,専門家として行政書士が最も多く会社設立等の登記書面の作成に関わっているとして,商業登記の申請代理業務の解放を要求する。ネット上や雑誌では,法律家として,従来業務の許認可以外にも,債務整理,離婚,遺言,相続,会社設立等を職務に明示し,一般からすればますます司法書士と混同し,私においても職務の違いの説明に労を要することは頻繁である。もちろん行政書士の能力を否定する意味で言うのではない。優秀で尊敬する行政書士は私の身の回りにも多くいる。
次に司法書士の「書士」は,代書的な職人を連想させ,現在の職務と職名の印象にズレがある。出入国管理難民認定法省令の翻訳によれば,司法書士は「Judicial scrivener」(司法代書人)と訳され,また,中国で韓国の法務士を律士として活動を認めている例があると聞くものの,代書を思わせる司法書士の名では律士として認められる可能性は低い。
一日でも早く司法書士を「法務士」に改称してほしいと願う。
耳にした日司連の情報では,法務士への改称を約2年後の家事代理権の獲得等の要求と同時に行うということである。ただ,弁護士の中にも弁護士から法務士に改称を願う者があり,また,行政書士も「法務事務所」の屋号を利用している実態があり法務士の名が欲しいだあろうし,さらに,法科大学院の卒業生は法務博士と称される。
司法書士の改称が認められるとしても法務士への改称のハードルは高い。
法務士に改称されるなら司法書士の名称による今のストレスは大きく低下し,ますます国民の期待に応えられて,将来もより明るいものになろう。
(島本)

2009年01月16日