島本総合司法書士法人ブログ

不動産関連

共同抵当権設定

 以前ブログで、共同根抵当権の追加設定登記を複数の法務局へ一気に申請することが出来ないと書いたのですが、共同抵当権の場合はどうでしょうか?
 事例を設定すると、A法務局管轄内の不動産に既存の抵当権が設定されていて、A法務局,B法務局,C法務局管轄内にある不動産に抵当権を追加設定するというものです。登記原因証明情報は3部あるものとします。
 私自身、申請したことがないので偉そうなことは書けませんが、この場合は根抵当権と違って、一気に登記が出来るのではないかと思います。というのも共同根抵当権は登記が「効力要件」となっているのに対し、共同抵当権の場合は、登記が「対抗要件」だからです。
普通抵当権を追加設定する場合も、登記されていることを証する書面(登記証明書)を添付しますが、これはあくまで登録免許税法第13条第2項の減税を受けるための減税証明書なので添付は任意です(添付しない場合は当然、減税されませんが・・・)。ということは、先の事例でいえばA法務局管轄内で登記されている登記事項証明書を添付すれば減税を受けられて、かつA、B、C法務局へ一気に申請することが可能ということになると思います。
いわゆるブック庁を除く法務局では共同担保目録が職権で記載されるので、ちょっと注意しないといけないのしょうが一気に申請すること自体は可能な気がします。
根抵当権と抵当権。受験時代から苦しめられきましたが、これからも苦しめられそうな気がします・・・(H)

2008年10月28日
 

共同根抵当権設定

 先日、久しぶりに管轄がまたがる根抵当権の追加設定を担当しました。
 概要を要約するとA法務局管轄内の不動産に既存の根抵当権が設定されていて、A法務局,B法務局,C法務局管轄内にある不動産に根抵当権を追加設定するというものです。
 必要書類のやり取りなどが続き、書類をチェックしたのですが、当事者が作成した登記原因証明情報は法務局への差入型のものでした。これは原本還付が出来ないため3法務局提出分用意するとのこと。従前(不動産登記法改正前)の登記原因証明情報(原因証書)は通常、設定契約書1通だったため、各法務局へ順次(このケースだとA法務局→B法務局→C法務局)、申請していました。しかし、今回のように登記原因証明情報が3通あれば、3法務局へ一気に申請できるのではないかと考えてみたのですが、皆様はどのようにお考えでしょうか?
 結果、実体上は可能なんだろうけど、手続上は出来ないということでした。理由は「前登記証明書」が添付できないからということです。仮に3法務局に一斉に申請すると当然、元々ついていた物件以外の前登記証明書は添付できません。よって、形式的には申請書に記載した物件全てが共同関係か判断できません。共同根抵当権は登記が効力要件となっている(民法第398条の16)ので、形式的に共同か判断できない以上、共同根抵当権とは登記できないということです。
 確かにそうですね。ちょっと、浅はかだったかもしれません・・・実体と手続は表裏一体と痛感した今日この頃です(H)。

2008年10月3日
 

役員退職金を現物で支給する場合

 先日、ある会社から役員退職金を不動産で支給したいという相談を受けました。取締役に対する報酬等(役員退職金も含む)を金銭以外で支給する場合、定款に定めがないときは株主総会で現物の具体的な内容及びその額(額が定まってない場合は具体的な算定方法)を決議する必要があります。
 会社法の条文を調べた上で、株主総会議事録等を検討中、ふと不動産登記の事を考えたときに登記原因は何になるのかと思いました。会社に手持ちの現金がない代わりに会社の不動産を退職金として支給するのであれば「代物弁済」となる気がしますが、「代物弁済」はあくまで契約なので退職金支給のプロセスを考えると少し異なる気もします。
更に、六法をみて気づいたのですが、会社法の条文上、役員の報酬等について現金支給を原則とする構成になっていません(会社法第361条)。ということは、会社には現金があるけども積極的に退職金を不動産で支給することが出来ることになります(当然、株主総会決議を経る必要はありますが)。その場合、所有権移転の登記原因が「代物弁済」というのは馴染まないような気もします。では、原因は何になるのか???判断に迷ったので法務局に相談しました。
皆様はこの場合の登記原因は何だと思いますか?
 法務局の回答は「代物弁済」ということでした。
 過去の事例において「代物弁済」を原因として登記をしたことがあり、それに倣うようです。ただ、事例としては少ないようでした。
 この先、様々なニーズがありますので、こういう事案も増えるかもしれません。日々、勉強しないといけないということですね・・・
 なお、役員退職金を現物で支給する場合は、上記のとおり現物の額(額がない場合は具体的算定方法)を定める必要があります。この額は時価となりますので、税理士や公認会計士など専門家と事前の打ち合わせが必要となると思います。(H)

2008年08月20日