島本章生ブログ

M&A 中小企業が買収に適した会社

 中小企業のM&Aにおいて、売却側の動機は様々です。
 今のように過去と比べて不景気となりますと事業の採算が合わないから手放したいとする経営者があります。
 確かに大手企業の各マーケットへの容赦ない進出は中小企業経営者の起業意識を削ぎますし、事業を廃業するにしても会社の借入金を精算できないと個人の保証債務が残るから、事業を売却して清算に向かいたいことは理解できます。
 しかし、そのような会社の多くは赤字かつ債務超過であり、よほどの技術や特異性がないかぎり事業は無価値で、株式譲渡価額が無償としても多額の債務を承継することになるため買い手は現れません。
 このようなケースの場合、債務と切り離して事業譲渡の方法により取引されることはあります。
 逆に高利益体質で財務がしっかりして将来性や安定感がある事業は、人気があり、高額に取引されます。
 つまり、経営者からみて「売るにはもったいない」くらいの事業がM&Aに適しているわけです。
 実がしっかりついて甘い果物を誰もが食べたいのは当然です。
 一方、買い手は、高く取引されるだけに多額の資金が必要となります。
 とすれば、一般的な中小企業が買収者となるM&Aは、小さな優良案件か、上記の前者と後者の間にある、いわゆる財務が良くも悪くもない企業が対象となります。
 こういう先は、買い手から見れば微妙で、だからこそ十分な調査(デューデリジェンス)を実施して、マネジメントに強いエネルギーを注ぐ必要があります。
 多少の問題のある不動産を安く買い、磨き上げて利回りを稼ぐといった感じに似ています。
 また、M&Aにはリスクが伴いますので、リスクを吸収できるほどの身の丈に合った買収でなければ危険です。

2011年02月18日