遺言

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遺言書作成支援業務

遺言書の作成はまだですか?

遺言作成件数は,年々増加しております。その原因は,高齢者が増えていることの他に,自分の思うように財産を振り分けたい,相続人間の争いを避けたいために遺言を書いておきたいなどの思いが強くなっているためです。一昔前までは,日本古来由来の家族慣行により長子が家ごと財産を相続することに対して,大した違和感はなかったのですが,現在では,個の権利として法定相続分確保を前提として相続を捉えるようになっております。

特に,遺産に不動産が含まれていたり,故人の生前に個人から特別に財産利益(結婚,教育,マイホーム費用など)を受けたとか,故人への人並ならぬ療養看護の事実が認められるような場合に,法定相続分で画一的に財産を振り分けることは,一部の相続人には不都合であり,また相続人間で評価の認識にずれが生じるなどして,遺産分割協議に争いが起こる結果となってしまいます。親族間で遺産争いが起こると,たとえ解決しても将来にわたりしこりが残ります。本来助け合える親族であるはずがそうでなくなるのは残念なことです。

仮に子供たちが親に遺言を書いてほしいとしても,親には言いづらいものです。なぜなら親の死と財産取得を望んでいるように思われたくないからです。

遺言を作成するにあたっては,単純に作成するのではなく,推定相続人及びその他親族の属性並びに財産を把握し,特別受益や寄与の事実を理解して遺留分の許容範囲を計りながら,遺言者の遺言意思を文言に表すことが大切です。もちろん,できるだけ遺言を書き直すことのないように補充文言にも気を配り,場合によっては付言を利用します。

また,遺言を作成してもそれを実現させなければ意味はないので,遺言執行者として信頼ある第三者や法人を指定しておくと一層安心です。

以下に遺言を作成しなかったため困った事例を掲げますので参考にしてください。いずれも遺言があれば避けることのできたであろう事案です。

1.【自宅の相続で困った奥さん】

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ご主人が亡くなられたAさんは,ご主人と長く仲睦ましくと暮らした自宅に住んでいます。その自宅の名義は,ご主人です。ご主人との間に子供がおらず,相続人は,Aさんとご主人の兄弟です。Aさんは,ご主人の兄弟は生前優しかったので,自宅を自分が相続することについて当然に協力してくれると思っておりました。ところ相続登記の協力を願う手紙を兄弟に送ったところ,法定相続分相当のお金を要求され,結局裁判所で遺産分割調停を申し立てることになり,精神的にも疲労し弁護士費用等の出費も嵩みました。

★兄弟姉妹には遺留分がありませんので,遺言で全ての財産をAさんに相続させることができました。相続登記や預金の解約にも他の相続人の協力も必要ありません。

2.【不動産を共有としてしまった長男】

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Bさんのお父さんが死亡しました。お父さんの相続人は,BさんとBさんの弟と妹の子供三人が相続人です。遺産は,自宅と賃貸アパートと預貯金がありました。Bさんは長男でありお父さんの近くで生活をしているので,不動産を自分が相続し,預貯金を三人で分けようとしました。しかし,土地の価値が高いので,弟及び妹の家族に反対され,結局,賃貸アパートを相続人3人で共有としました。その後,Bさんは,銀行からお金を借りて劣化したアパートを大規模修繕をしようとしましたが共有者の一人が反対し,実現できません。

★不動産を共有としますと,貸すにも,売るにも担保に入れるにも実質として共有者の全員の同意が必要となり,大規模修繕なども同様です。必ず,将来に不都合が生じます。また次の相続が発生するとさらに共有者が増える事態にもなりかねません。遺言で単独相続する者を指定することが大切です。

3.【事業承継】

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Cさんのお父さんは,会社の経営者であり会社の株式の大半をもって死亡しました。Cさんは事業承継者です。Cさんには,弟と妹がいます。会社の株式は評価が高く,その他自宅と,預貯金がありました。当然Cさんは,株式の全部取得を願いましたが,法定相続分による財産分けを弟と妹に主張され,結局,株式を三人で相続しました。

★事業承継対策として遺言作成は不可欠です。自社株を事業承継者以外が相続してしまうと支配権が分散し,経営に支障が出るおそれがあります。自社株及びその他事業用財産は,Cさんに相続させて,その他の財産をその他の相続人に遺留分を配慮して相続させるなどの検討を要します。

4.【相続人が認知症・海外居住者】

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Xが亡くなりました。その相続人は,奥さんと子供2人で,奥さんは認知症で,子供の一人は海外に居住しています。奥さんと子供らで遺産分割協議をしましたが,奥さんに成年後見人を付して,かつ法定相続分の確保が必要でした。また子供の一人は海外居住であるため,預貯金の解約にとても手間取りました。

★遺言によりそれぞれの財産を取得する相続人を指定し,遺言執行人を指定していれば,成年後見人の選任及び法定相続分の確保の必要もなく,また指定した遺言執行者が財産の振り分け実行をしてくれるので,相続人の手間もかかりません。

5.【先代から引き継いだ財産が妻の家系へ】

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Dさんは,先代から承継した不動産を多く所有し守ってきました。その後Dさんは死亡し,奥さんが財産を相続しました。子供はいません。その後奥さんが亡くなり,奥さんの兄弟姉妹が財産を相続しました。

★遺言がないために先代承継財産が妻の家系に移ってしまいました。夫婦で遺言を作成することにより,奥さんが死亡した時には先代承継財産をDさんの甥(Dの家系)に戻すことが可能です。

6.【故人への寄与が報われない】

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E子さんは,死亡したXさんの老後の生活を支援しました。経済的な負担も大きく,多くの時間を費やすなど,自身の生活を犠牲にしました。またXさんの療養看護にも献身的に努めました。しかし死亡したXさんは遺言を残していませんでした。しかもE子さんはXさんの相続人ではありません。E子さんは,相続人に自分の犠牲を訴えましたが全く聞いてもらえませんでした。

★相続における寄与分は法定相続人にのみ認められるものです。相続人でない人に財産を残したい場合は遺言作成の必要があります。遺言があればE子さんの献身は報われました。

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