幸先裕明ブログ

株券発行義務の例外

株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく当該株式に係る株券を発行しなければなりませんが、非公開会社は株主から請求があるまでは株券を発行する必要はありません(会社法第215条)。

ここで、気になったのが、会社法215条1項が「株式の発行」となっているため、「株式の交付」には含まれるが「株式の発行」には含まれない「自己株式の処分」について対応する規定がどこにあるのかということです。

答えは、会社法第129条2項です。これにより、「自己株式の処分」についても非公開会社は株主から請求があるまでは株券を交付する必要はないことが確認でき、「株式の発行」も「自己株式の処分」も株券の発行義務がないことが分かります。(会社法第215条では株券の「発行」、会社法第129条2項では株券の「交付」となっており、用語が使い分けられています。これは、自己株式の処分の場合は、当該自己株式を取得したときに会社が株券の引渡を受けておりこれを再利用できるからではないかと思います。)

ちなみに、会社法215条2項及び3項で「株式の併合」「株式の分割」について規定されていますが、「株式の無償割当て」については特に規定されていないのは、「株式の併合」「株式の分割」は「株式の発行」に含まれないが、「株式の無償割当て」については「株式の発行」に含まれるためです。

2016年10月21日