幸先裕明ブログ

2017年10月

「総務・法務担当者のための会社法入門」(司法書士 金子登志雄 著)

金子先生が、

「総務・法務担当者のための会社法入門」
https://is.gd/jHH64y
http://www.biz-book.jp/books/detail/978-4-502-24611-1

を出版されます。

金子先生には珍しく(?)入門書のようです。
ただ、『「金子登志雄の見方・考え方」を一挙公開。』と中央経済社のHPにありますし、商業登記法入門ではなく会社法入門ですので、どのようなことをお書きになっているのか今から楽しみです。

2017年10月27日
 

黄金株に関してよくある誤解

黄金株は「拒否権付株式」とも言われます。その名前のせいなのか、当該種類の株主による種類株主総会の決議によって、予め定めた一定事項について拒否したい場合に拒否できる種類株式と思っておられる方が非常に多く感じます。

黄金株が発行されている場合、承認対象事項について、法定の決議機関の承認決議に加えて、さらに種類株主総会の承認決議が毎回必要となるのであって、拒否したい場合のみ拒否する決議をするわけではありません。
もちろん、承認する決議をしないということは承認対象事項を拒否すると言え、違いがないように一見思われます。

しかし、一定期間拒否の決議がなければ拒否権は発動されなかったと解され、その結果承認対象事項について効力が生じるというわけではありません。

つまり、承認対象事項について効力を生じさせるためには、毎回必ず種類株主総会の積極的な承認決議が必要となってしまうのです。
この点を誤解されておられる方が多い様に感じます。

現経営者がその所有する株式のうち1株だけを残し、後継者に譲渡し、その残った1株を黄金株とするという話がたまにあります。
このような場合、現経営者が問題無く意思表示ができる間は良いのですが、意思表示ができない状態に陥ってしまったら大変な事になりかねません。そして、このような場合、黄金株を所有するのは自然人ですので、将来突然意思表示ができない状態になるか否かは、前もって誰にも分からないことです。

ここで上記の誤解のもと、意思表示ができない状態となったら拒否できないので問題無いのではないかとよく言われるのですが、上記のとおり、意思表示ができない状態ですと承認対象事項については一切効力を生じさせることができなくなってしまうということになってしまうのです。
取締役会の決議事項をもその承認対象事項にしていると本当に大変なことになってしまいます。

ですので、黄金株導入については、よくお考え頂く必要があると思っています。

2017年10月2日