幸先裕明ブログ

2010年7月

「等」には要注意~「計算書類」と「計算書類等」

「計算書類」については、会社法§435Ⅱ・会社計算規則§59Ⅰに規定があります。
<会社法§435Ⅱ>
第四百三十五条  
2  株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
<会社計算規則§59Ⅰ>
第五十九条  法第四百三十五条第二項 に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。
つまり、「計算書類」とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つになります。
そして、次に「計算書類等」については、会社法§442Ⅰに規定があります。
<会社法§442Ⅰ>
第四百四十二条  株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。
一  各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間
二  臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間
とても細かい話ですが、上記のとおり、「等」があるか否かで、意味するものが異なっています。
「計算書類等」は、いわゆる単独株主権として株主が閲覧できる書類になっています。(会社法§442Ⅲ)
つまり、閲覧対象は「計算書類」(=貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)に限られるわけではなく、附属明細書(会社計算規則§117)まで閲覧請求することが可能ということです。
「等」があるか否かで大きな違いですね。
さらに、一定の要件を満たす株主は上記に加えて、会計帳簿の閲覧請求権もありますが、こちらは、「島本総合司法書士法人オフィシャルブログ」の2008年5月15日付「会計帳簿」でかつて取り上げましたので興味があればご参照下さい。

2010年07月26日
 

取締役会設置会社の定めの設定登記と印鑑証明書

取締役会を廃止する登記はぼちぼちあるのですが、(弊事務所では)滅多にないのが取締役会を設置する登記。
この際の添付書類で今でも必要なのかどうかが判然としないのが、取締役会を設置するにあたって就任する取締役の印鑑証明書。
取締役会非設置会社の場合、取締役の就任の登記をする際、その取締役の印鑑証明書の添付が必要ですが、取締役会設置会社の場合は不要。
なので、上記のような場合、就任する取締役の印鑑証明書が必要なのか否かは微妙なところです。
管轄が都内の法務局だったため、念のため電話にて照会してみたところ、基本的には必要とのことでした。特に、取締役会を設置する前の取締役が3名未満の場合、取締役が新規に就任し3名以上となることで、取締役会設置会社となる要件が充足されるので、必要性が高いとのこと。ただし、微妙ではあるので、添付してもらった方が良いといった感じでした。
あれから、3年位経過したのですが、実際のところ現在の運用はどうなのでしょう?

2010年07月22日
 

株式の譲渡承認と特別利害関係人の議決権の行使

株式の譲渡制限がある株式会社の株式を譲渡するには、譲渡承認が必要となります。
承認機関は会社法になって取締役会のみではなくなったのですが、特別利害関係人がいる場合の議決権の行使について、承認機関が取締役会か株主総会の場合で違いがあります。
取締役会が承認機関の場合、取締役がその所有する株式を譲渡する場合は、諸説あるようですが、特別利害関係人に該当すると考えられ、決議に加わることができません。
(その他注意点等詳細は、2009年07月30日付の弊ブログをご参照下さい。)
しかし、株主総会が承認機関の場合は、株主が株式を譲渡する場合もその承認する株主総会において議決権を行使できます。
それは、株主総会においては原則特別利害関係を有する株主も議決権を行使できることとなっていためです。
ただし、承認決議によってその他の株主が著しい不利益を被る場合は、株主総会の決議取消しの訴えの対象となる可能性はあります。
たまに、株式を譲渡する株主は特別利害関係人なので議決権を行使できないので、譲渡承認を決議する株主総会に出席しなくて良いですよね?と質問されますが、その株主が大株主の場合、むしろ出席してもらわないと定足数を満たすことができず、株主総会が適法に開催できないといったことにも場合によってはなってしまいます。
ちなみに、株主総会において議決権を行使できない例外は、会社法§140Ⅲ、§160Ⅳ、§175Ⅱの自己株式の取得に関するものが該当します。

2010年07月14日
 

ファイナンシャル・プランニング技能検定(3)

ファイナンシャル・プランニング技能検定3級の検定結果が昨日届いていました。
無事合格していました。
折角なので2級も受検しようと思います。ただ、9月受検だと日程的に厳しいので、来年の1月を目指します。
実技は、おそらくマイナーな科目ですが、現在の業務に最も役立ちそうな「中小事業主資産相談業務」を選択しようと考えています。

2010年07月6日
 

登記情報

月刊登記情報の7月号の「商業登記掲示板 泣き笑い千例集」に記事を掲載させて頂きました。
http://store.kinzai.jp/magazine/AT/index.html
たいした内容でもなく、たかだが1頁なのですが、想像以上に大変でした。
専門的な内容の本を書かれる方は本当に凄いなぁと思いました。
なお、同誌の8月号にも掲載される予定です。

2010年07月1日