島本総合司法書士法人ブログ

2010年6月

相続放棄??

 司法書士(一部、行政書士)の大事な業務の1つに相続に関する業務がありますが、そんななか、「私は相続放棄したのでもう親の遺産については権利も負担もない」又は「相続放棄したので親の遺産や借金は私には関係ない」という声を耳にすることがあります。
 しかし、よく聞くと法的な「相続放棄」をしたということは少ない気がします。いわゆる民法が定める相続放棄とは親などの相続について、相続人が家庭裁判所に申述して行うもので通常は親が借金しかない、もしくは資産よりも借金が多いというときに用いる手段です。また、この「相続放棄」は原則としてその親などの死亡を知ったときから3ヶ月以内に行わなければなりません。
 もし、この手続を踏んでいないのであればそれは相続放棄ではありません。例えば父親が亡くなり、長男と次男と三男で遺産分割協議をして長男が全財産を取得し、親の借金も長男が全部、面倒を見るという遺産分割協議が成立したとしましょう。次男と三男からすれば、何も取得せず何も負担していないので「相続放棄した」と感じるかもしれません。しかし、それは単に遺産分割で父親の資産を取得しなかったに過ぎません。
 もちろん、このような分割協議はよくあることですし、何も問題はないのですが少し注意が必要です。それは、遺産分割はあくまで資産の分割しかできず、借金の分割までは相続人間だけではできないという点です。ですので、仮に先程のように資産も借金も全て長男が取得(負担)するという遺産分割協議が成立したとすれば、現預金や不動産など資産は当然長男のものとなりますが、借金は次男も三男も相続分に応じて分割されます。ですので、次男と三男は資産は何も取得せず、借金だけ相続分に応じて負担したということになります。もし、借金の分割までしたいのであれば借金の分割について債権者に同意をしてもらう必要があるのです。ですので、遺産の中に借金があり、長男に引き継いでもらいたい場合は、長男に債務引受をしてもらうなどの手続が必要です。
 ちなみに、家庭裁判所を通して相続放棄をすれば資産も借金も何も引き継ぐことはありません(H)。

2010年06月22日
 

入管法改正について

 昨年末、入管法が一部改正され、これまでの外国人研修生は技能実習生となり、労働者として扱われるため、労働基準法や最低賃金法等が適用されることになりました。また、新たな在留資格として「技能実習」が創設されることになりました。
 この改正に伴い、外国人技能実習生を受け入れる事業協同組合は①職業紹介事業の許可または届出が必要となります。そしてこの職業紹介事業の許可又は届出を申請するには、②事業目的に職業紹介事業を追加する定款変更及び定款変更の登記をする必要があり、さらに事業協同組合が定款変更するには③主務官庁の認可が必要となります。
 この①~③を専門家に依頼する場合、以下のように取り扱う専門家が異なります。
 ①職業紹介事業の許可又は届出…社会保険労務士
 ②定款変更の登記申請…司法書士
 ③定款変更の認可申請…行政書士
 また、手続が終わるまで数ヶ月かかるということもあります。
 ですので、まだ手続に着手していない組合があれば早めに取りかかることをお勧めします。ちなみにこの改正が施行されるのは今年の7月1日からとなっております(H)。

2010年06月11日